ラッカーフィルムコンデンサ

SONY の7-75 というポータブルテレビをひょんなことから手に入れた。
誇らしく、"SOLID STATE" のロゴが入っている。

但し、残念ながら、手に入れた当初は画面が写らず。中をあけてみる。

ダンパ管?とおぼしき真空管が1本だけ使用されていたり、電源は相変わらずチョークトランスで平滑化されていたり、トランジスタ黎明期の回路構成だ。整流もシリコンダイオードではない。

トラブルシューティングの末、たどり着いたのがこの緑色のコンデンサ。導通モードでの破壊のようだ。一見してフィルムコンデンサなのに?

相当品を調達しに秋葉原へ。
海神無線の方に見てもらうと、開口一番「あら懐かしい」
ラッカーフィルムコンデンサというコンデンサで、どうやら、昨今のフィルムコンデンサのご先祖様のようだ。

テレビのトランジスタ化のキーパーツのひとつのようだ。
水平同期信号の高周波(とはいっても数10kHzなのだけどね)電力信号をを損失なく結合するのに苦心したのだろう。

当時量産に携わった設計者は、当時先端の部品を使いつつ、仕様と、信頼性の両立に苦労したのだろうな、と感慨。